日本神経免疫学会

お知らせ
Information

2013-2-20

Clinical and Experimental Neuroimmunologyへの論文投稿のお願い

 

 日本神経免疫学は設立以来25年を経過し、この間、会員数も584名に達し、英文誌を発行するほどに発展しました。1988年8月6日付の設立趣意書には、本会設立の目的が以下のように記載されています。

「神経科学と免疫学の急速な進展の結果、神経系と免疫系との間に極めて密接な相互関連性が見出され、両者を統合する神経免疫学という、新しい学問領域が形成されてまいりました。多発性硬化症(MS)、HTLV-1-associated myelopathy (HAM)、ギラン・バレー症候群(GBS)、重症筋無力症(MG)、多発筋炎、腫瘍随伴症候群などの難治性神経疾患に対して、多面的な研究と治療の展望が開けて参りました。この領域は当然、学際的色彩が強く、種々の立場の専門家の協力と自由な意見交換が極めて重要であります。学際的で自由な研究発表と討議のための適切な場を創造することが緊急の課題となって参りました。これらのことを勘案して、ここに新たな組織として「日本神経免疫学会」を結成することを提唱します。」

 すなわち、本学会は、神経免疫学という新しい学問領域において、上述の免疫性神経疾患を対象に、学際的で自由な研究発表の場として造られました。わたしたちは、このような本学会設立の精神を大切に継承するとともに、新しい時代にあった飛躍をめざしたいと考えます。

 私は日本神経免疫学会のアイデンティティーは、脳・神経・筋疾患を対象とした神経免疫学にあると考えています。本学会では、Multiple Sclerosis、Myasthenia Gravis、Guillain-Barré syndrome、Chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy、myositis、paraneoplasitc neurologic diseaseなど様々な免疫性神経疾患を対象にしています。さらに、近年、神経変性疾患においても免疫性機序の関与が極めて大きいことが明らかとなってきました。本学会は、このような神経変性疾患の神経免疫学をも対象にしています。基礎的側面では、脳・神経・筋を場とした免疫医科学、そして神経科学が含まれます。臨床面では、神経免疫疾患のみならず神経変性疾患も含めた病態機序の解明や免疫療法の開発が包含されます。このように本学会は、神経免疫科学を中心に幅広い領域を研究対象としています。本学会の目的は、このような神経免疫科学をもとに、難治性の神経免疫疾患・神経変性疾患の病態を解明して新しい免疫療法の開発を行い、最適な治療を患者さんへ届けることにあります。

 Clinical and Experimental Neuroimmunologyは、このような基礎から臨床まで幅広い領域を対象にした本学会の機関誌として、学際的な発表の場を提供するものです。本誌は、アジアで唯一の神経免疫学領域を対象にしたジャーナルとして貴重な情報発信の役割を担っていると考えます。本誌は、これまでに3年間にわたり、1巻から3巻まで毎年3号を発行してきました。神経免疫学領域の近年の飛躍的な発展を考えると、本誌の役割はますます大きくなっていると考えます。そこで、私はこの度日本神経免疫学会の理事長に就任するに際し、本誌の編集体制をより一層強化することにしました。これは、神経免疫学領域の飛躍的な発展に対応するためです。これにより、本誌を通じての情報発信が促進され、本誌の神経免疫学領域におけるプレゼンスが一層高まると期待しています。そのため、本学会の会員のみならず、広く世界中から非会員の本誌への論文の投稿を期待しています。編集体制の強化により、論文の査読も迅速になり、より丁寧な査読コメントの提供も可能になると考えています。


平成25年1月23日の理事会で以下のような変更が決まっています。
1) 一人のEditor-in-Chiefが全ての業務に責任を持つ体制から、Chief Editor4名とManaging editor1名の5名が、担当分野を決めてhandling editorとなって、査読・編集にあたることになりました。

2) Chief Editorは、山村隆(Immunology分野担当)、錫村明生(Neuroscience分野担当)、吉良潤一(CNS Disease分野担当)、神田隆(PNS Disease分野担当)の4名になりました。

3) 本誌の事務局を、九州大学神経内科に置き、managing editorに村井弘之(Neuromuscular Junction and Muscle Disease分野担当)が就くことになりました。

4) 日本人からの投稿論文は、日本語で査読を返却してもいいことになりました。査読コメントへの対応が難しい場合などは、日本語で事務局に問い合わせしていただくと、当該論文のHandling Editorが対応を検討します。日本語での円滑なやりとりができる体制に変更しました。

5) 従来からのReviewやCommentaryは、editorial officeからのinvitedでなくても自主的に投稿可能にしました(査読はあります)。

6) 投稿のセクションも、Review Article、Commentary(本誌掲載論文および本誌以外の掲載論文へのコメント)、Original Article、Case Report、Image in Neuroimmunology(インパクトのある写真の症例報告や研究に関するオリジナルの写真)、Letter to the editor、Congress report(学会報告)と増やしています。

7) 投稿時には、Immunology、Neuroscience、CNS Disease、PNS Disease、Neuromuscular Junction and Muscle Diseaseの5分野からhandling editorの希望を選ぶことができるにしています。また、No choiceにして、上記の5名のhandling editor候補(山村、錫村、吉良、神田、村井)から分野に関わらず直接選ぶこともできるようにしています。

8) 投稿時にfavorable reviewerの希望を5名、unfavorable reviewerを2名記載できるようにしています。

9) 年間を通じて掲載された論文のなかから、最優秀掲載論文賞(基礎医学1名、臨床医学1名)を本学会編集委員会で選考し、学術集会時に表彰することになりました。受賞者には、国際学会へのtravel awardが副賞として授与される予定です。

 このような編集体制の強化とより幅広い論文の受付により、より一層の情報の発信が期待できます。投稿や査読に関し、不備に気付いたり、ご意見をお持ちであったりする会員の方は、ご遠慮なくCENI事務局(九大神経内科 村井弘之または秘書)へご連絡ください。

 本誌も3巻まで巻を重ね、今後は、PubMedへの掲載やimpact factorの獲得に向けてoriginal articleの掲載を一層増やす必要があります。日本からの英語での情報の発信の手段を私たち日本神経免疫学会会員がもつことは極めて大事です。本誌が広く世界で認められるためには、内容を一層充実させることが不可欠です。ぜひ皆様からの様々な論文の投稿をよろしくお願い申し上げます。

 本誌のemerging roleは、神経免疫学領域の世界のオピニオンリーダーとして最先端の有益な情報を発信することです。それが実現できるよう新しいchief editorsとともに努力していきます。皆様からの一層多くの本誌への論文投稿をお待ちしています。

平成25年2月20日
日本神経免疫学会理事長
吉良潤一

 


« 一覧へ戻る