症状が強いとき(急性期)
メチルプレドニゾロン静注療法(IVMP)(ステロイドパルス療法)
高用量のメチルプレドニゾロン(ステロイド)を点滴で注射する治療法です。
短期間で効果的に炎症を抑えます。
メチルプレドニゾロン 500~1,000 mg/日
2~5日/週を1クールとし、数回行う。
IVMPの副作用
短期間の使用であり、比較的安全と考えられています。
比較的あらわれやすい副作用
- 眠れない
- 顔面がほてり赤くなる
- 胃粘膜が弱くなる
- 味覚変化(金属の味がする)
免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)
免疫グロブリン(ヒトの血液から体を守る抗体を分離したもの)を点滴で注射する治療法です。
自分の細胞を攻撃する抗体の排出を促すなど、免疫の異常を調節する働きがあります。
急性期
- 免疫グロブリン 400mg/kg体重/日
- 5日間連続で使用する
病気によっては再発の予防にも使用されます。
IVIgの副作用
少ないと考えられています。
なお、ヒトの血液を原材料としているため、感染症のリスクを完全には排除しきれません。治療を始める前に、医師や薬剤師から詳しい説明があります。
比較的あらわれやすい副作用
- 軽度~中程度の頭痛
- 発熱
- 高血圧
- 寒気
- 吐き気
血漿浄化療法(PP)
血液中から、病気に関連する物質をろ過や吸着などで取り除く治療法です。
腎臓の病気を抱える人がする血液透析に似た方法です。
1日おきに2~3回/週、
状況により翌週に数回行う。
PPの副作用
比較的あらわれやすい副作用
- 低血圧
- 血液中のタンパク質が減少する
- 発熱・悪寒
- 赤血球の破壊が生じる
- 血液中のカルシウムが減少する
- 血液中の血小板が減少する
- 吐き気・嘔吐
- 蕁麻疹・アレルギー症状 など
【参考資料】
多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023. p. 43-55.
重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022. p. 69-74.
慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー、多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン2013. p. 71-72, 75-98.